【ウェビナーQ&A】 2月24日開催 打ち止めする、しないだけじゃない!定年モデルから離れて考える退職金の新潮流
2022年2月24日(水)に開催いたしましたウェビナー『打ち止めする、しないだけじゃない!定年モデルから離れて考える退職金の新潮流』で参加者の皆様からお寄せいただきましたご質問と回答をご紹介いたします。
セミナープログラム
テーマ:打ち止めする、しないだけじゃない!定年モデルから離れて考える退職金の新潮流
- 第1部:退職金・企業年金のこれまでとこれから~生涯現役時代の思想と設計~
退職金・企業年金の設計は、長らく60歳定年退職を前提として考えられてきました。そのため、定年延長や継続雇用制度の見直しにあたっては、社員の生活設計やキャリアの選択を考慮しながら退職金制度の見直しを考える必要があります。
一方で、より若い世代に対しては終身雇用を前提としないキャリアに対応できるよう、設計思想そのものを変えることが求められてきています。
今回のウェビナーでは、生涯現役時代に向けた退職金・企業年金の基本的な考え方や制度改定における留意点を解説しつつ、エルダー2022年2月号で取り上げられている企業事例や、弊社の支援事例についても講師の見解を交えて紹介します。
- 第2部:質疑応答
皆様からお寄せいただきました質問に講師がお答えするコーナーです。
ウェビナー情報詳細
- 日時 : 2022年2月24日(水)16:00~16:45(視聴開始15:55)
- 会場 : ウェブセミナー(Microsoft Teamsライブ配信)
- 講師 : 向井 洋平(クミタテル株式会社 代表取締役社長 年金数理人・AFP) 講師プロフィール
ウェビナーQ&A
No. | 質問 | 回答 |
1 | 企業型DCからiDeCoへの移換に伴う、メリット、デメリットについてご教授ください。 弊社は60歳定年で、退職一時金・DCの2本柱。DCの資格喪失年齢も60歳のままです。2022年5月からiDeCoの加入者年齢が65歳までに引き上げられることに伴い、今春の定年を迎える社員から「企業型DCからiDeCoへの移換」について、関心の高い声が上がっています。理由は「iDeCoで積み増しができる」「退職所得控除の対象になる」などです。これまでのDC裁定は、一時金9割、年金1割でした。今後は、弊社でもiDeCoへの乗り換えが主流になるのではと思っています。iDeCoへの移換による、メリット、デメリットを教えていただけると助かります。 |
法令改正により、2022年5月からは厚生年金被保険者であれば65歳になるまでiDeCoに加入できるようになります。したがって、60歳で企業型DCの加入資格を喪失した社員が再雇用などで引き続き厚生年金被保険者となる場合、企業型DCからiDeCoに資産を移換したうえでさらに掛金を積み立てることも可能となります。 この場合のメリットとしては「掛金の全額所得控除の税制優遇を受けながら老後資金の積み増しができる」「退職所得控除の勤続年数が延びて控除額が大きくなる」ことが挙げられます。 一方、注意すべき点としては「手数料は自己負担となる」「移換時に一旦すべて現金化が必要で、2ヶ月前後の運用中断期間が発生する」「運営管理機関やプランによって年金受取の選択肢が限定されたり、Webの操作性などが劣るケースもありうる」ことが挙げられます。 |
2 | 同一労働同一賃金の観点から定年後の再雇用賃金の見直し(一部の方の引き上げ)を考えています。高年齢雇用継続給付金を最大に受けるため&社会保険料の増大をできるだけ避けるため、引き上げ額を第2退職金(退職一時金)として制度設計できないものか検討しています。どういう点に注意すべきでしょうか。事例のご説明にもありましたので重複する内容かもしれません。 | 高年齢雇用継続給付金については2025年度以降縮小されることが決まっており、その後段階的に廃止される方向です。したがって、高年齢雇用継続給付金を前提とした制度設計は近い将来見直しが必要となる可能性があります。 また、報酬の受け取り方の希望は人それぞれですので、一定期間ごとの第2退職金の積み増し額を定めたうえで、希望者には各期の積み増し相当分を賞与への上乗せ等で前払いとすることも考えられます。そうすることで第2退職金が報酬の一部であることが明確になり、賃金引上げと同等の処遇改善であることが示しやすくなるでしょう。 |
ウェビナー視聴・講演資料ダウンロード
講演資料はこちらのフォームから視聴・ダウンロードいただけます。
出口 (イグジット) を見据えたシニア雇用体制の確立をしましょう
労働力人口の減少と高齢化が同時進行する中、雇用の入口にあたる採用、入社後の人材育成・開発に加え、出口 (イグジット) をどうマネジメントしていくかが、多くの企業にとっての課題となりつつあります。特に、バブル入社世代が続々と 60 歳を迎える 2020 年代後半に向けて、シニアの雇用をどう継続し、戦力として活用していくのか、あるいはいかに人材の代謝を促進するのか、速やかに自社における方針を策定し、施策を実行していくことが求められます。多くの日本企業における共通課題であるイグジットマネジメントの巧拙が、今後の企業の競争力を左右するといっても過言ではありません。
シニア社員を「遊休人員化」させることなく「出口」へと導くイグジットマネジメントを進めるために、まずは現状分析をおすすめします。