従業員サーベイの活用think from exit
イグジットマネジメントを定着させELTVの最大化を図っていくには、継続的なモニタリングと改善が欠かせません。年代や階層ごとの離職率、離職理由、社内公募の応募数、アルムナイネットワークを経由した再雇用数、定年後の再雇用率、それに各種従業員サーベイなどを通じて、実施した施策が実際の効果として表れているかを検証し、必要に応じて見直していくことが重要となります。その中で、ぜひ活用したいのが「在職理由調査」です。
退職者からの退職理由の把握も重要ですが、既に述べたように本人から本音を引き出すことは容易ではなく、そもそも退職者のみが対象だと人数も限られます。これに対して、在職理由の調査は全従業員を対象とすることができ、その回答内容は「望ましい退職/在職」「望ましくない退職/在職”」の先行指標ともなり得ます。例えば、ミドル期における在職理由の多くが「自分のスキルや経験を今の会社で生かせるから」といった積極的なものではなく、「いまさら転職は難しいから」といった消極的なものだったとしたら、将来シニア社員の「望ましくない在職」が増えてしまうおそれがあります。
在職理由は、大きく分けて「働きがい」「働きやすさ」「経済的理由」「消去法的理由」の四つに分類でき、例えば以下に示したような設問によってそれぞれの傾向を測ることができます。こうした調査を定期的に実施することで在職理由の変化を把握し、施策の効果を確かめたり、新たに取り組むべき課題を明確にしたりすることが可能となります。設問をアレンジすることで、個々の施策の効果をより的確に測定することもできるでしょう。
■ 在職理由調査の設問例
【質問1】あなたがこの会社で働いている理由として、以下の各項目はどの程度当あてはまりますか? 次の選択肢から回答してください。
5:非常に当てはまる、4:やや当てはまる、3:どちらともいえない、2:あまり当てはまらない、1:全く当てはまらない
【質問2】以下の各項目から、あなたが働き続ける上で重要だと思うものを最大3つ選んで○を付けてください。
※No.1~3が「働きがい」、No.4~6が「働きやすさ」、No.7~8が「経済的理由」、No.9~11が「消極的理由」
また、こうした在職理由の調査を行うこと自体が、従業員自身に、この会社で働くことの意味や、今後のキャリアについて考える機会を提供することとなります。匿名回答による実施であったとしても、全体の結果を共有することで、人事面談などの場においてキャリアについて話すきっかけとなり、上司と部下の間でキャリアに関する認識を共有することにもつながります。在職理由の調査は、イグジットマネジメントのPDCAサイクルを回すためのモニタリングの手段であると同時に、イグジットマネジメントを始める上での足掛かりとしても活用していただきたいと思います。

