【ウェビナーQ&A】 12月15日開催 企業として対応が迫られる企業型DC・iDeCoの制度改正について
2021年12月15日(水)に開催いたしましたウェビナー『企業として対応が迫られる企業型DC・iDeCoの制度改正について』で参加者の皆様からお寄せいただきましたご質問と回答をご紹介いたします。
セミナープログラム
テーマ:企業として対応が迫られる企業型DC・iDeCoの制度改正について
- 第1部:企業としてどう対応すべきか?企業型DC・iDeCoの改正で変わる従業員の選択肢
昨年5月に成立した年金制度改正法が来年4月から順次施行され、公的年金とともに企業年金についても制度改正が行われます。今回のセミナーでは、制度改正のうちiDeCoやマッチング拠出に関する内容を中心に取り上げ、企業としての対応について解説します。
- 第2部:質疑応答
皆様からお寄せいただきました質問に講師がお答えするコーナーです。
ウェビナー情報詳細
- 日時 : 2021年12月15日(水)16:00~17:00(視聴開始15:55)
- 会場 : ウェブセミナー(Microsoft Teamsライブ配信)
- 講師 : 向井 洋平(クミタテル株式会社 代表取締役社長 年金数理人・AFP) 講師プロフィール
ウェビナーQ&A
No. | 質問 | 回答 |
1 | 弊社では、多くの加入者が「マッチング拠出を利用するより、iDeCoに加入した方がより多く拠出できる」状態になり、これまでマッチング拠出の利用を推進してきた立場として正直困惑しています。「マッチング拠出は事業主掛金額以内とする」という規制は今後撤廃されないのでしょうか? | 企業年金の実施主体は事業主という建前から、少なくとも掛金全体の半分は事業主が拠出しなければならないというのが、DBも含めた企業年金に共通の基準となっています。ただ実際には給与切り出し型の選択制DCのような設計も可能であることから、実質的にはあまり意味を持たない基準だといえます。 最終的には税制も絡む問題となりますが、先日公表された来年度の与党税制改正大綱では今後の検討の方向性として私的年金に共通の非課税拠出枠を設けるといったことにも触れられていますので、そうした包括的な見直しの中で制度ごとの差異や制約が解消されていくことが望ましいと考えます。 |
2 | 経団連会長やトヨタ社長の発言の通り、終身雇用という制度の維持が困難となりつつある現在、今後の理想的な退職金制度のあり方について(ひとつのアイデアとしてで構いません)税制など絡めてご意見をお聞かせいただきたいです。よろしくお願いします。 | どんな退職金が理想的かは企業それぞれに考え方があるので一概に示すことは難しいですが、従業員のキャリアをどう考えるのかということと退職金制度は密接に関係しており、整合性のある制度設計とすることが重要であると考えます。例えば、従来のように定年までの終身雇用を前提に考えるのであれば、定年を迎えた社員がその後の生活に困らないような水準の退職金や年金を確実に用意しておくことで、安心して長く働ける環境を提供することができます。そのため、新卒で入社して定年で退職したときにいくら支給するかという定年退職モデルで退職金を考えることが一般的でした。 しかし終身雇用の前提が崩れ、様々なキャリアの社員が混在してくるようになると、企業側で標準的なモデルを設定することができない(意味を持たない)ようになります。したがって、企業は報酬の一部を退職給付として積み立てるための器を用意し、従業員が自分のキャリアプランやライフステージに合った形で制度を利用(選択)できるように教育や支援を行っていくという方向にシフトしていくものと考えます。実例として、退職一時金を確定給付企業年金に移行したうえで、その一部を前払いとの選択制とし、年に1回選択割合を変更できるようにしたケースもあります。 また、税制に関しては大きく2つ課題があると考えます。 1つは退職所得に関して勤続20年未満と20年超で控除額が変わるのはキャリアの選択に中立でなく、金額をそろえるべきと考えます。 もう1つは企業年金における受給方法の選択に関する点であり、一時金受給は年金受給に比べて税制優遇が大きくなっています。これもライフプランに応じた受給方法の選択に中立ではないため、バランスを取るべきでしょう。なお、年金の税制に関しては私的年金も公的年金も基本的に同じ扱いとなっていますが、性格に違いがあることから扱いを分けることも考えるべきでしょう。 |
3 | 選択制DCで本人が掛金額を設定している場合、DB仮想掛金額が財政再計算により増加した場合に、上限いっぱいまで掛けていた方の拠出金額は本人同意なしで、強制的に引き下げることになりますか。 | DB仮想掛金額が財政再計算により増加した場合、DCの拠出限度額はその分低下することになりますので、財政再計算前の限度額いっぱいまで掛けていた加入者に対しては本人の意向に関係なく掛金を引き下げる必要があります。なお、経過措置により2024年12月の制度改正施行前の掛金拠出が認められている間は、仮想掛金額の算定結果によらず月額27,500円がDCの拠出限度額となります。 |
ウェビナー視聴・講演資料ダウンロード
講演資料はこちらのフォームから視聴・ダウンロードいただけます。
出口 (イグジット) を見据えたシニア雇用体制の確立をしましょう
労働力人口の減少と高齢化が同時進行する中、雇用の入口にあたる採用、入社後の人材育成・開発に加え、出口 (イグジット) をどうマネジメントしていくかが、多くの企業にとっての課題となりつつあります。特に、バブル入社世代が続々と 60 歳を迎える 2020 年代後半に向けて、シニアの雇用をどう継続し、戦力として活用していくのか、あるいはいかに人材の代謝を促進するのか、速やかに自社における方針を策定し、施策を実行していくことが求められます。多くの日本企業における共通課題であるイグジットマネジメントの巧拙が、今後の企業の競争力を左右するといっても過言ではありません。
シニア社員を「遊休人員化」させることなく「出口」へと導くイグジットマネジメントを進めるために、まずは現状分析をおすすめします。