【ウェビナーQ&A】 11月24日開催 知っておきたい!定年延長にも関係する確定拠出年金の法改正
2021年11月24日(水)に開催いたしましたウェビナー『知っておきたい!定年延長にも関係する確定拠出年金の法改正』で参加者の皆様からお寄せいただきましたご質問と回答をご紹介いたします。
セミナープログラム
テーマ:知っておきたい!定年延長にも関係する確定拠出年金の法改正
- 第1部:DC加入期間延長と拠出限度額見直しによる退職金・企業年金制度への影響と対応
DC法の改正により、2022年5月から加入可能年齢が70歳迄に拡大され、2024年12月から拠出限度額に確定給付企業年金等の掛金相当額が反映されるようになります。 こうした法改正が退職金・企業年金にどにような影響を与えるのか、またその対応方法について解説します。
- 第2部:質疑応答
皆様からお寄せいただきました質問に講師がお答えするコーナーです。
ウェビナー情報詳細
- 日時 : 2021年11月24日(水)16:00~16:45(視聴開始15:55)
- 会場 : ウェブセミナー(Microsoft Teamsライブ配信)
- 講師 : 向井 洋平(クミタテル株式会社 代表取締役社長 年金数理人・AFP) 講師プロフィール
ウェビナーQ&A
No. | 質問 | 回答 |
1 | 「加入可能年齢の拡大」に関連してお伺いします。企業型では70歳到達まで、個人型では65歳到達まで拡大されますが、これに伴い所得税法上の勤続年数もこれらの時点まで伸びると考えてよいでしょうか? 例えば、自社の企業型規約が加入者期間を60歳到達までとしている場合、自身で個人型に資産移換し引き続き加入者となることにより、退職所得控除額を増やす様なことは可能でしょうか。 |
まず、確定拠出年金の老齢一時金に係る税制のポイントとして以下のような点があげられます。 ①退職/在職に関わらず退職所得の扱い ②退職の時期に関わらず一時金を受け取った年の収入として課税 ③掛金拠出期間を勤続年数とみなす(60歳以降の掛金拠出期間も勤続年数に算入) ④他制度から資産を移している場合は移換元制度の勤続年数を通算する ③に関しては、以前の法改正で企業型DCの加入期間が最長65歳までとなった際に、税制当局より60歳以降の掛金拠出期間についても退職所得控除の勤続年数に算入可能との見解が示されており、今回の改正においても同様の取り扱いになると考えられます。 また、60歳で企業型DCの加入資格を喪失した場合、現状でもiDeCoに資産を移換して運用指図者として運用を継続することが可能ですが、2022年5月以降はiDeCoに移換したあとに最長65歳まで加入者として掛金の拠出が可能となります。この場合、企業型DCの加入期間に加えて60歳以降のiDeCoの加入期間も退職所得控除の勤続年数に算入される扱いになると考えられます。 |
2 | 第2部事前質問 次の2つの場合において、DC法改正による見直しのポイント、留意点などがあれば教えてください。 1)既にDC(選択制DC(給与切出型DC)ではない通常型DC)導入の企業の場合、 2)DC未導入(退職一時金のみや中退共利用のみ)でこれから導入を予定している企業の場合。 |
1)制度設計の観点からは、本編で話したとおり60歳以降の加入是非の取り扱いや、DBを併せて実施している場合の拠出限度額の変更に伴う対応がポイントとなります。加入期間については、例えば定年日に合わせて60歳に到達した年度末とすること等も可能です。そのほか、次回のウェビナーでの主なテーマとなりますが、iDeCoと企業型DCの同時加入の要件緩和や、DB実施企業におけるiDeCoの拠出限度額変更に伴う対応(従業員への情報提供や事務)にも留意する必要があります。 2)基本的には上記1)のとおりです。なお、来年10月以降は規約の定めに関わらず原則として企業型DCとiDeCoの同時加入が可能となるため、この点も踏まえて制度設計及び従業員への説明を行う必要があります。 |
3 | 規約型DBと基金型DBを併用している場合の仮想掛金の算出方法についてご教示お願いします。 | DBは1社1制度が原則ですが、自社単独で実施している規約型DBに加えて多数の事業主で実施する連合型・総合型のDB基金にも加入するなど、実施事業所の範囲が異なる複数のDBに加入することはことは可能となっています。この場合の仮想掛金額(他制度掛金相当額)は当該複数のDBの仮想掛金額を合算したものとなります。自社の規約型DBの設計変更及び財政再計算時に加え、連合型・総合型DB基金の設計変更及び財政再計算時にも仮想掛金額が更新されることとなる点に注意が必要です。 |
ウェビナー視聴・講演資料ダウンロード
講演資料はこちらのフォームから視聴・ダウンロードいただけます。
出口 (イグジット) を見据えたシニア雇用体制の確立をしましょう
労働力人口の減少と高齢化が同時進行する中、雇用の入口にあたる採用、入社後の人材育成・開発に加え、出口 (イグジット) をどうマネジメントしていくかが、多くの企業にとっての課題となりつつあります。特に、バブル入社世代が続々と 60 歳を迎える 2020 年代後半に向けて、シニアの雇用をどう継続し、戦力として活用していくのか、あるいはいかに人材の代謝を促進するのか、速やかに自社における方針を策定し、施策を実行していくことが求められます。多くの日本企業における共通課題であるイグジットマネジメントの巧拙が、今後の企業の競争力を左右するといっても過言ではありません。
シニア社員を「遊休人員化」させることなく「出口」へと導くイグジットマネジメントを進めるために、まずは現状分析をおすすめします。