【ウェビナーQ&A】 9月22日開催 他社はどうしてる?先行事例から考える70歳までの継続雇用制度
2021年9月22日(水)に開催いたしましたウェビナー『他社はどうしてる?先行事例から考える70歳までの継続雇用制度』で参加者の皆様からお寄せいただきましたご質問と回答をご紹介いたします。
セミナープログラム
テーマ:他社はどうしてる?先行事例から考える70歳までの継続雇用制度
- 第1部:先行事例から読み解く70歳までの継続雇用制度の設計
70歳就業法により、企業には65歳から70歳迄の就業機会を確保する措置を講ずるよう努力義務が課せられています。現状では65歳迄の雇用確保への対応で精一杯となっている会社も多いとは思いますが、今後、70歳までの雇用を見据えた制度や仕組みづくりを、少しずつ進める必要があります。
- 第2部:質疑応答
皆様からお寄せいただきました質問に講師がお答えするコーナーです。
ウェビナー情報詳細
- 日時 : 2021年9月22日(水)16:00~16:45(視聴開始15:55)
- 会場 : ウェブセミナー(Microsoft Teamsライブ配信)
- 講師 : 向井 洋平(クミタテル株式会社 代表取締役社長 年金数理人・AFP) 講師プロフィール
ウェビナーQ&A
No. | 質問 | 回答 |
1 | 定年前における「(社外)転進支援制度」を導入しており、「創業等支援措置」(業務委託及び社会貢献活動)と概ね同じ内容の施策が既にある場合、70歳就業法への対応として「創業等支援措置」を検討する際に、留意すべき点などあれば教えてください。 | 例えば70歳までの就業確保措置として業務委託を選択する場合、希望者全員を受け入れるのは通常難しいと考えられるため、対象者基準を設定することになりますが、これには具体性、客観性が求められます。まずは委託する業務に対して必要なスキル、経験、資格等の要件を整理したうえで、対象者基準について検討していくことが必要です。 |
2 | 各社各様だと思いますが、年金支給開始となる65歳以後の賃金の在り方について、ご教授いただくとありがたいです。 | 特に高度なスキルや組織における大きな責任・役割を求めるわけではないものの、戦力として広く活用したい場合には、一律の月給または時間給とするなどシンプルな賃金設定とする例が見られます。一方で、会社に必要とされる高度なスキルを持った人材等については(人数が限られている間は)まずは個別に対応し、そうした人材が増えてきた段階で制度面の対応を図ることも考えられます。 具体的な賃金水準の検討にあたっては、在職老齢年金の支給停止基準も考慮するとよいでしょう。 |
3 | 70歳迄の就業を考えた場合、65歳迄は連続する人事制度としてとらえなければならないでしょうか。 つまり、実質的に現行60歳定年が65歳迄延長され、65歳迄は報酬や役割を大幅に変えることができないと思った方がよいのでしょうか? |
現段階では、70歳までの継続雇用制度を設けている企業においても一旦60歳時点で役割や報酬の見直し(再定義)のタイミングを設け、さらに65歳時点で働き方を含めて見直しているケースが多く、そうした対応を取ることも可能です。将来的には65歳までを連続した人事制度の中で処遇していく形になっていく可能性もありますが、上るキャリアだけでなく下るキャリアも包含した設計・運用とすることが必要になるでしょう。 |
4 | 65歳まで継続雇用をして、更に条件付きで70歳迄延長した場合も無期転換ルールの例外は適用されるのでしょうか。 | 有期雇用契約の無期転換ルールについては、定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者に対しては労働局の認定を受けることでその対象外となる特例があります。継続雇用が65歳以上に延長される可能性がある場合は、この認定を受けておくことで無期転換の必要がなくなります。 |
5 | 65歳以上の就業機会の確保を考えた際には、本人の体調や能力は勿論ですが、会社の業務の状況により依頼できる仕事も限られてくると思います。その為、希望する人を一律で募ることはできないのですが、会社の裁量はどの程度許容されるのでしょうか。 | 65歳以上の就業確保措置については対象者基準を設けることができますが、「会社が必要と認めた者」のような基準は実質的に基準がないことに等しく不適切とされています。従業員自身がその基準に当てはまるのかどうかを予見できる客観性、具体性を備えていること(例えば一定の資格や人事評価など)、及び差別的でないことが必要となります。 |
6 | 65歳以上に限った話ではないと思いますが、高齢期を迎え、引退を考えていた社員に再び、会社への貢献意欲を持たせるための、仕組みや施策があれば教えてください。 | まずは「あなたに残ってほしい」というメッセージを職場や上司とのコミュニケーションの中で伝えることが重要です。そして、そのメッセージに反しないような処遇を用意することが必要になります。 そのほか、自分のペースで仕事ができるように働き方の柔軟性を高めたり、まとまった期間のリフレッシュ休暇を付与してモチベーションを充電するような施策も考えられます。 |
7 | 65歳以上の雇用につき、職務が以前と変わらない場合、同一労働同一賃金の関係もあるが、給与を下げる、あるいは賞与をなくすことは可能か? | 同一労働同一賃金を考えるうえで職務内容は非常に重要な要素ですが、「その他の事情」として例えば65歳以降は公的年金が満額支給されることも考慮されるべき要素になり得ますので、職務内容が同一でも賃金に差が生じることが許容される余地はあります。また、職務内容が同じでも仕事上の責任範囲や勤務時間、配置転換の有無等に違いがあれば、賃金の差についてより合理的な説明が可能となり、本人の納得も得やすくなるでしょう。 |