【ウェビナーQ&A】 8月26日開催 待ったなし!高年齢者雇用で残ってほしい人に残ってもらうためにやるべきこと
2021年8月26日(木)に開催いたしましたウェビナー『待ったなし!高年齢者雇用で残ってほしい人に残ってもらうためにやるべきこと』で参加者の皆様からお寄せいただきましたご質問と回答をご紹介いたします。
セミナープログラム
テーマ:待ったなし!高年齢者雇用で残ってほしい人に残ってもらうためにやるべきこと
- 第1部:「残ってほしい人」に残ってもらうための高齢者雇用における職務マッチング 70歳就業法時代を迎え、60歳以降のシニア社員の活躍があらためて期待されていますが、実態は活躍が期待され残ってもらいたい人ほど社外に流出してしまい、活躍が期待されない社員ほど残ってしまう傾向があります。
本セッションでは、活躍が期待されるシニア社員に残ってもらうために、必要不可欠となる職務の洗い出しとマッチング方法等について解説します。 - 第2部:質疑応答
皆様からお寄せいただきました質問に講師がお答えするコーナーです。
ウェビナー情報詳細
- 日時 : 2021年8月26日(木)16:00~16:45(視聴開始15:55)
- 会場 : ウェブセミナー(Microsoft Teamsライブ配信)
- 講師 : 向井 洋平(クミタテル株式会社 代表取締役社長 年金数理人・AFP) 講師プロフィール
ウェビナーQ&A
No. | 質問 | 回答 |
1 | 定年後の再雇用を考える場合、定年まじかになってあれこれ考えても無理があるかと思います。 例えば、定年再雇用を踏まえた30代~50代のキャリア・パスはどうあるべきでしょうか。 |
本セミナーでは主に会社側がとるべき対応の観点からお話ししましたが、職務マッチングの実現には本人が自分のキャリアを主体的に選択することも重要です。その観点からは、社内公募制など自分でキャリアを選択できる仕組みをより若い年代から導入し、機能させることが1つの対応策となると考えます。 |
2 | 定年(60歳)を迎える社員には、その1年前に再雇用制度の内容を伝えるようにしています。伝えるタイミングとしては一般的でしょうか? | 一概に早い、遅いとは言えませんが、定年後の進路について社外(再就職等)も含めた様々な選択肢の中からお互いが納得できる選択をするためには検討・準備期間の確保が必要です。例えば、50歳時に再雇用等の社内制度について説明する機会を設け、50歳代の後半に改めて今後の進路について考えるための研修を実施し、定年までの1年間で継続雇用希望者の配置を調整するといったように、いくつかのステップで実施することも考えられます。 |
3 | 「残ってほしい人」の峻別と、その人に残ってもらうための打ち手の導入は、定年再雇用前からある問題(極論すれば、採用時から始まっている問題)であるとは思いますが、「職務マッチング」において、定年再雇用者ならではの注意すべき点などがあれば教えてください。(なお、人事政策上、社外転進を積極的に進める前提ではなく、むしろ定年再雇用者の積極活用、活性化の前提です。) | 再雇用者にはプレイヤーとしての役割のほか、後進の育成や支援の役割を期待することが多くなります。担当業務についての専門知識やスキルのほかに、育成や指導に関わるスキルや役割変化への対応が必要となるので、そうした面での教育機会を用意したほうがよいケースもあるでしょう。また、定年直前まで部下であった社員がいきなり上司になるのはお互いにやりづらい面があることから、配置の際に考慮している例もあります。 定年前後の年齢層は、子どもの独立など家庭環境が大きく変わることが多い時期でもあります。勤務地や働き方についての考え方は個人個人によって大きく異なるため、特に積極活用の観点では個々の希望を丁寧に汲み取っていくことが重要と考えます。 |
4 | 残ってもらいたくない人の再雇用は拒否したいのですが、それはできないと思っています。その為再雇用の条件を厳しくして提示したいと考えていますが、問題点などあれば教えてください。(まだ、60歳を迎えた社員がいません) | 定年後の社員の活躍機会が限られる企業においては、賃金水準を大きく引き下げるなど再雇用時の処遇を厳しくしている例も見られますが、仕事内容や責任、働き方が変わらないにも関わらず大幅に賃金が引き下げられるのは同一労働同一賃金の観点から問題となります。例えば労働時間などで明確な違いを設けておく等の対応が考えられます。 一方で、条件を厳しくしているにもかかわらず(活躍できずに)残る人が多くなると、職場の士気や生産性に重大な影響を及ぼします。転進支援策を充実させたり、そもそも「活躍できない人」を生み出さないような現役世代への対応が必要になるでしょう。 |
5 | 定年後に同じ部署ではなく、他部署への異動を求め、それに応じた報酬を支払うようにしていますが、最近、他部署への異動について難色を示す社員が出てきました。なお、全員を他部署に異動させているわけではなく、一部残ってもらう人もいるため、不公平感があるようなのですが、一律同じ処遇にしなければならないのでしょうか? | 一律同じにする必要は必ずしもないですが、不満を和らげ納得性を高めるためには、異動を行う理由や基準、各社員に対して異動の有無や異動先を決定するプロセスをできるだけ透明化することが重要であると考えます。 |
6 | 再雇用者については「嘱託社員」として雇用をしていますが、場合によっては定年前と同じような働きをお願いする社員もいます。他の嘱託社員とは違う呼称を考えているのですが、事例があれば教えてください。 | 「シニア(年上の、上位の)」「エルダー(年上の、先輩の)」「エキスパート(熟練者、専門家)」「マイスター(職人の最上位、親方)」といった呼称を用いる例が見られます。現役社員に対して用いている呼称を取りれるのもいいかもしれませんね。 |
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出口 (イグジット) を見据えたシニア雇用体制の確立をしましょう
労働力人口の減少と高齢化が同時進行する中、雇用の入口にあたる採用、入社後の人材育成・開発に加え、出口 (イグジット) をどうマネジメントしていくかが、多くの企業にとっての課題となりつつあります。特に、バブル入社世代が続々と 60 歳を迎える 2020 年代後半に向けて、シニアの雇用をどう継続し、戦力として活用していくのか、あるいはいかに人材の代謝を促進するのか、速やかに自社における方針を策定し、施策を実行していくことが求められます。多くの日本企業における共通課題であるイグジットマネジメントの巧拙が、今後の企業の競争力を左右するといっても過言ではありません。
シニア社員を「遊休人員化」させることなく「出口」へと導くイグジットマネジメントを進めるために、まずは現状分析をおすすめします。