【最新法改正等】2019年7月 退職金・年金関連ニュースまとめ読み
目次
2019年7月1日 運営管理機関の運用商品の一覧が公表
2019年7月4日 中小企業向け私的年金、対象拡大へ
2019年7月6日 日鉄など鉄鋼大手、全世代で成果給厚く
2019年7月6日 GPIF 2018年度の運用実績を公表
2019年7月8日 トラブルから学ぶ高齢者雇用
2019年7月9日 厚労省、厚生労働白書を公表
2019年7月12日 定年延長 企業年金に難題
2019年7月23日 明日 第6回 企業年金・個人年金部会が開催
2019年7月27日 第6回 企業年金・個人年金部会が開催
2019年7月29日 イデコ加入、全会社員に
2019年7月31日 企業年金・個人年金に関する税制改正要望が提出
2019年7月1日
運営管理機関の運用商品の一覧が公表
本日、確定拠出年金法施行規則の一部を改正する省令が施行され、各運営管理機関のWebサイトにて運用商品の一覧が公表されています(一部の運営管理機関においては6月以前より公表済み)。確定拠出年金を実施している企業においては、まずは委託先運営管理機関の商品一覧を確認し、手数料等について自社で採用している同種の商品と比較してみることをお勧めします。
運営管理機関によっては一覧表の掲載場所が分かりにくかったり、再委託先のWebサイトにリンクさせているところもありますので、不明な場合は運営管理機関に問い合わせてみるとよいでしょう。
なお、運用商品一覧の公表イメージは以下のとおりです(厚生労働省 確定拠出年金制度のページより)。
2019年7月4日
中小企業向け私的年金、対象拡大へ
中小企業向け私的年金、対象拡大へ 老後の資産形成促す(朝日新聞)
現在は従業員数100人以下の企業が対象となっているiDeCo+(イデコプラス、中小事業主掛金納付制度)について、対象範囲を「300人以下」に拡大する方針を固め、社会保障審議会での議論を経て来年の通常国会への関連法改正案の提出を目指すとあります。
2019年7月6日
日鉄など鉄鋼大手、全世代で成果給厚く
日鉄など鉄鋼大手、全世代で成果給厚く 賃金制度刷新(7/5 日本経済新聞)
定年を60歳から65歳に延長するのに伴い、以下のような、60歳未満も含めた賃金体系等の見直を行うとしています。
・成果給の部分を手厚くするなど賃金カーブを再設計する。
・退職金は65歳までの勤続年数を加味するとともに、65歳以前に退職する社員にも配慮した内容にする。
2019年7月6日
GPIF 2018年度の運用実績を公表
昨日、公的年金の積立金を運用するGPIFより2018年度の運用実績が公表され、1年間の運用収益は2兆3,795億円、収益率は1.52%となりました。
昨年10~12月期には四半期として過去最大の14.8兆円の運用損失を計上しましたが、今年1~3月期は米国の株価上昇などから9兆円を超える運用収益を確保し、年度ベースではプラスとなりました。
また、市場運用を開始した2001年度以降の18年間の実質運用利回り(運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたもの)の平均は2.87%となり、財政検証上の前提である0.11%を大きく上回っています。
2019年7月8日
トラブルから学ぶ高齢者雇用
特集「あなたの会社は大丈夫?トラブルから学ぶ高齢者雇用入門」(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構『エルダー 2019年7月号』)
以下のようなトラブルに対する予防・解決策とともに、企業における対応事例が紹介されています。
1 高齢社員のモチベーションが上がらない!
2 役職定年した高齢社員が社内の空気を乱している!?
3 遅刻・早退・急な休みをとる高齢社員が多く、業務に支障が!?
4 せっかく設備投資をしたのに高齢社員から不満が続出!
2019年7月9日
厚労省、厚生労働白書を公表
本日、厚生労働省より「平成30年版厚生労働白書」が公表されました。
公的年金制度の最近の動向にに関しては以下のようにまとめられています。
■近年の制度改正の施行状況
・年金受給資格期間の25年から10年への短縮(2017年10月施行)
・短時間労働者への被用者保険の適用拡大(2017年4月施行)
・マクロ経済スライドにおけるキャリーオーバーの導入(2018年4月施行)
・国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除(2019年4月施行)
・賃金の低下に合わせた年金額の改定ルールの見直し(2021年4月施行予定)
■今後の公的年金制度の改革
・被用者保険のさらなる適用拡大について2019年9月までに検討
・受給の繰下げ制度の周知と繰下げ可能期間の延長について検討
・在職老齢年金について、制度の在り方を検討
2019年7月12日
定年延長 企業年金に難題
定年延長 企業年金に難題:日本経済新聞
支給年齢上げなら減額扱い 厚労省、手続き簡素化検討
確定給付企業年金を実施している企業が定年延長を実施して加入期間が延びると、現在の法令では支給額そのものは減らなくても「給付現価」の減少により給付減額の扱いとなり、労働組合または加入者の個別同意(署名捺印)が必要となることがあります。
記事によると、減額の判定基準は従来通りとしつつ、同意手続きの要件を緩和する方向で検討しているようです。
なお、手続き要件は省令に規定されているため、見直しに法改正(国会での審議と議決)を経る必要はありません。
2019年7月23日
7月24日(水) 第6回 企業年金・個人年金部会が開催
7月24日(水)、第6回 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会が開催され、企業年金(確定拠出年金を含む)のガバナンス等について議論が行われる予定です。
資料はこちらに掲載されています。
2019年7月27日
第6回 企業年金・個人年金部会が開催
7月24日、第6回企業年金・個人年金部会が開催され、企業年金のガバナンスについて議論が交わされました。確定拠出年金については、出席した委員から以下のような意見がありました。
・各運営管理機関から運用商品の一覧が公表されたが分かりにくいと聞いている。
・継続投資教育について、事業主がどこまでやるべきなのかよくわからない。一定のガイドラインがあるとありがたい。
・信託報酬の異なる同種の商品が複数ある場合、信託報酬の低い商品へ誘導するのは個別商品の推奨にあたるのか。 等
なお3点目については、事務局(厚生労働省)より、運営管理機関が事業主に対して信託報酬の高い商品の除外を提案することは問題ないとの回答がありました。
2019年7月29日
イデコ加入、全会社員に
イデコ加入、全会社員に
企業型年金と併用可能(日本経済新聞)
現行制度では、イデコ(個人型確定拠出年金)との併用を認める場合は企業型確定拠出年金の拠出限度額を引き下げる必要があるが、これを不要とすることで全会社員にイデコとの併用を認める方向であり、2020年の通常国会に関連法の改正案提出をめざすとのこと。
マッチング拠出を実施している企業でもイデコへの加入を認めるのか、認めない場合マッチング拠出の限度額は見直すのか、企業型確定拠出年金の制度設計や運営にも影響を及ぼす論点であり、今後の企業年金・個人年金部会での議論が注目されます
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