給付算定方式の比較 -3- 定額制、給与比例制、ポイント制の採用状況
掲載日:2015年2月3日
目次
各給付算定方式の採用状況
最後に統計資料を基に採用状況の推移を見てみましょう。今回は厚生労働省作成の「就労条件総合調査」を参照しました。平成25年、平成20年、平成15年の3回分の調査結果「算定基礎額の種類別企業割合」を基に、企業規模ごとに採用割合の推移を見てみたいと思います。
合計
1000人以上
300~999人
100~299人
30~99人
最も割合が多い部分をオレンジに表示しています。この統計資料から分かる事は以下の通りです。
・企業規模によらず、
給与比例制(「退職時の賃金」欄)の割合が年々減っている
ポイント制(「点数(ポイント)方式」欄)の割合が年々増えている
・企業規模が大きいほどポイント制の割合が高い
・企業規模が小さいほど給与比例制の割合が高い
調査回数を追うごとに、給与比例制からポイント制への移行が進んでいる事がわかります。特に1000名を超える大企業では平成15年から平成20年にかけて給与比例とポイント制の割合が逆転しており、ポイント制の普及が急速に進んだ事がわかります。
300名未満の中小企業でもポイント制の割合は少しずつ増えてきてはいるものの、まだ給与比例制が過半数を超えています。ポイントの管理が煩雑な事やポイントの設定の基となる職能資格制度や評価制度等人事制度の構築が難しい事等が普及の足かせになっている可能性等が考えられます。