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キャリア研修でシニア社員のライフプランを支援する老舗商社田村駒の取り組みとは?――田村駒 総務部長 井上典男氏×総務部次長兼人事課長 向井崇氏×退職金専門家 向井洋平

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キャリア研修でシニア社員のライフプランを支援する老舗商社田村駒の取り組みとは?――田村駒 総務部長 井上典男氏×総務部次長兼人事課長 向井崇氏×退職金専門家 向井洋平

人生 100 年時代を迎えるに当たり、70 歳へと定年年齢を延長したり、定年退職後の再雇用を促進したりするといった政府主導の動きが見られ、多くの企業は対応を迫られようとしている。とはいえ、当のシニア社員にも選択する機会が与えられなければならないだろう。創業 125 年以上の繊維専門商社 田村駒株式会社では、55 歳以上のシニア社員を対象に「キャリア研修」を実施。なぜシニア社員向けにキャリア研修を行うようになったのか。また、研修の内容や受講後の反応はどのようなものだったのか。田村駒株式会社から執行役員総務部長 井上典男 氏と総務部次長兼人事課長 向井崇 氏、そして退職金専門家 向井洋平が、シニア社員向けキャリア研修の意義について語った。

—先走る「漠然とした不安感」を払拭したかった

向井  以前もお話を伺いましたが、改めて、御社について教えて下さい。
田村駒株式会社 井上典男氏

井上  弊社は創業から 125 年ほど続く、繊維を中心とした商社で、親子孫と、三代にわたって働いているというような人もいるのが特徴的な会社です。従業員は 400 人少しでその内訳は、総合職掌が約 200 人、一般職掌が 約 50 人、無期転換嘱託社員が約70人、あとは約 80 人の契約社員となっています。

歴史のある会社ですし、新卒で入ったら、定年まで勤め上げるという人が多い。そのこともあり、1961 年より退職金制度を導入しています。
向井  適格退職年金が廃止されたタイミングで制度を変えられましたよね?
井上  わかりやすいように制度を変更しました。総合職掌と一般職掌ではもらえる金額が異なりますが、自分の勤続年数で、金額がわかります。
向井  自分のもらえる退職金の額がわかるようになり、「そこそこもらえる」ということを把握しやすくなった。
井上  わたしの場合は、人事に携わるポジションだから多少知識はあるのですが、ほとんどの人はそのことにあまり興味がない。イントラを見てもらえれば掲示していますが、「老後の 2,000 万円問題」というような言葉に踊らされて、不安感だけが先走っている状態なんですよね。

というのも、自分の生活にいくらかかっているのか詳細に把握している人が少ないんです。男性社員の多くは、ほぼ配偶者任せにしているから。定年退職して、継続雇用に入って、給料がガクッと減って、「これで大丈夫なんだろうか?」と不安になる。自分のセカンドライフについて、定年間際まで、あるいは定年退職して継続雇用されてからはじめて考える、というパターンが多い、という課題がありました。
向井  知っておくべきお金の部分について、あまり考えられていなかったということですね。
井上  もやもやとした不安感が先に立ってしまってるんですよね。変な話、無駄遣いしなければいいだけなんですが (笑)。
向井(崇)  「老後の 2,000 万円」についても、一般的なベースに基づいて試算しているので、必要な額は人それぞれですよね。だから、数字に踊らされている印象は否めません。
田村駒株式会社 向井崇 氏

井上  そう。お小遣いいくら欲しいとか、子どもの教育をどうするとか、人それぞれ。その不安感を煽るのではなくて、排除してあげることが大切なはずなんです。

—“今”と“これから”のお金が見えれば退職後の生活を具体的にイメージできる

向井  そこで、キャリア研修に取り組もうと思われた。
井上  向井さんが勧めてくれたこともあり、体験セミナーに参加してみたんです。わたし自身、56 歳。定年年齢まであと数年という時期。だから、実感をもって受講することができました。
向井  参加されてみていかがでしたか。
退職金専門家 向井洋平 氏

井上  「これは、他の人にも是非参加してもらいたい!」と思いましたよ。みんな受けるべき、って。それで、55 歳以上を対象にして、実施することにしました。

田村駒の「キャリア研修」内容も、何歳まで生きたいか、何歳まで働きたいか、ということを話してもらうイントロダクションからはじまり、(会社の制度も含めて)今後のお金のことについて、これからの人生で大切にしたいことについて、定年後の職業人生やキャリアを考えるというものでした。

アンケートも取ってみたんですが、「もっと早い段階でやりたかった」という声もあって、反応は良かったんじゃないかと思います。
向井(崇)  今回、55 歳以上を対象にしたため、次の年代の54 歳社員から「次はいつあるんですか?」って聞かれてます。
井上  参加した人から話を聞いたんでしょうね。
向井  効果についてはどのように感じていらっしゃいますか。
井上  働いているときには良くても、定年退職したらどうしようという漠然とした不安感があったのが、やるべきことが見えてきたようですね。

また、研修前のイントロダクションでは 65 歳や 70 歳まで働きたいという人たちが多かったんですが、研修後は 60 歳というところを一定の線として意識するように変化しました。60 歳で線引きして、定年退職後の人生を改めて考えよう、と。
向井  60 歳の定年退職を迎えた後に、継続雇用を選ぶのか、別の道を選ぶのかを自分で考えて主体的に選択できるようなきっかけとなったということでしょうか。
井上  そうですね。先程もお話しましたが、生活にいくらかかっているのかを把握していないため、定年退職後に実際にいくら必要なのかという見通しを立てられず、モヤモヤとした不安感を抱えている人が多かったのですが、「マネープランを考える」の項目でキャッシュフローについて具体的に理解でき、定年後について前向きに考えられるようになったのではないかと思います。継続雇用を希望しない人へは、退職金の上乗せもありますしね。
向井  もともと御社の退職金は手厚いほうだと思いますが、60 歳定年退職で、再雇用を選ばない社員に退職金の上乗せをする会社さんは少ないですよね。
井上  そうなんです。いい会社なんです (笑) 。
田村駒株式会社 井上典男氏 向井崇氏

—正確な知識を得ることによって“主体的選択”が可能に

井上  政府は 70 歳まで雇用を継続するよう少しずつ法律を変えていくでしょうが、シニア社員のポジションを確保できなければ、やはりずっと雇い続けるのは難しい。もちろん、法改正が行われれば法を遵守する経営判断が下されると思います。でも 60 歳できっぱりと定年退職できるような道も用意しておかなければと思うのです。
田村駒株式会社 井上典男氏

向井(崇)  定年を迎えた社員たちは、「60 歳で定年退職という形を取るものの、65 歳まで継続雇用してもらう」ということを当たり前だと考えて選択していたようなところがあります。「そういうものなんだ」ということで。
井上  言ってみれば、考えのない人ほど残る (笑)。
向井  それは本人にとっても良くないですよね。別の選択肢が見えていないわけですから。
田村駒株式会社

井上  そうなんです。それよりは、今の生活にいくらかかっているか、60 歳という節目に自分の家族の状況はどうなっているのか――つまり、まだ教育費のかかる子どもがいるのか、それとも学校を卒業しているのか、住宅ローンは払い終わっているのか、大きな支出はないかなどを具体的に考え、キャッシュフローを明確にすることでモヤモヤとした不安感を払拭し、自分にとって最善の選択をしてもらいたいと考えているんです。
向井(崇)  我が家では息子がその頃にはもう成人し、妻と二人だけの生活になるので、60 歳になったらきっぱりと会社をやめます。今のところですが・・ (笑)。
井上  60 歳まで勤め上げたときの弊社の退職金がいくらなのか、年金は? といったところを把握していれば、そういう選択ができるんですよね。そして、定年後の人生を会社以外のことに充てられる。
向井(崇)  研修を受けた後、定年退職後に「ありたい姿」が明確になった人や、新たな趣味を見出したいという人も出てきましたよね。
井上  そういう選択肢が見えてきて自分で選べるようになるには、やはり正確な知識が必要になってくるんです。自分たちが働いている会社にどのような仕組みがあって、定年退職後にどれくらいのお金が入るのか、自分たちの生活にどれくらいかかるのかをしっかり把握してもらい、60 歳という節目を迎えた後の生活を自分たちでしっかりと考え、選択してもらえるようになれば、と思いますね。そのためにも、シニア向けキャリア研修を活用していきたいところです。
向井  今日はありがとうございました。

※取材日時 2020 年 2 月
※記載内容は、取材時点の情報に基づくものです。

出口 (イグジット) を見据えたシニア雇用体制の確立をしましょう

シニア社員のイグジットマネジメントできていますか?

労働力人口の減少と高齢化が同時進行する中、雇用の入口にあたる採用、入社後の人材育成・開発に加え、出口 (イグジット) をどうマネジメントしていくかが、多くの企業にとっての課題となりつつあります。特に、バブル入社世代が続々と 60 歳を迎える 2020 年代後半に向けて、シニアの雇用をどう継続し、戦力として活用していくのか、あるいはいかに人材の代謝を促進するのか、速やかに自社における方針を策定し、施策を実行していくことが求められます。多くの日本企業における共通課題であるイグジットマネジメントの巧拙が、今後の企業の競争力を左右するといっても過言ではありません。

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