【最新法改正等】2020年10月 退職金・年金関連ニュースまとめ読み
目次
2020年10月2日 企業年金連合会 決算公表
2020年10月13日 契約社員への退職金不支給を容認 最高裁
2020年10月14日 DC拠出限度額見直しを議論 社会保障審議会
2020年10月20日 NEC、社員のキャリア形成支援へ会社設立
2020年10月21日 DB掛金引き上げの緩和措置、新型コロナの影響
2020年10月22日 DC拠出限度額の見直し 政府税調でも議論
2020年10月23日 DC脱退一時金 加入期間要件の見直し案
2020年10月29日 第一生命、一般勘定の予定利率を0.25%に引き下げ
2020年10月31日 厚労省、70歳就業に関するWeb更新
2020年10月2日
企業年金連合会 決算公表
企業年金連合会の2019年度決算が公表されました。
運用利回りのマイナスにより年金経理全体の基本金(財政上の剰余部分)の額はやや減少しましたが、給付等の支払により責任準備金(将来の給付に備えて積み立てるべき金額)も減少したため、積立比率は115.1%で前年比+0.1%となっています。
2020年10月13日
契約社員への退職金不支給を容認 最高裁
東京メトロの子会社、メトロコマースの元契約社員が正社員との待遇格差を不当として退職金の支払いなどを求めた裁判について、退職金の不支給を容認する判決が最高裁から出されました。
判決文では、以下のような点を踏まえ、契約社員と正社員との間に退職金の支給の有無に係る労働条件の相違があることは、不合理であるとまで評価することはできないとしています。
・被告は、正社員としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図るなどの目的から、様々な部署等で継続的に就労することが期待される正社員に対し退職金を支給することとしたものといえる。
・業務の内容に変更がなく、配置転換等を命ぜられることはなかった契約社員と、業務の必要により配置転換等を命ぜられる現実の可能性があった正社員とでは、職務の内容及び配置の変更の範囲に一定の相違があったことは否定できない。
判決文は裁判所のWebサイトにて公開されています。
▶︎詳しく読む (外部サイト)
また、本裁判についてのコラム「非正規社員には退職金を払わなくてよいのか~メトロコマース最高裁判決から考える退職金の性質と目的~」もご覧ください。
2020年10月14日
DC拠出限度額見直しを議論 社会保障審議会
10月14日開催の第16回 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会では、前回に引き続きDCの拠出限度額の見直し(DBを併用している場合等の取り扱い)が議題となっています。
事務局(厚生労働省)提出資料では、DBの給付水準が高く、DC拠出可能額が減少または消滅する場合には、「所要の経過措置を講ずる」とされています。
また年金数理人会からは、DB給付水準の掛金換算方法として、各DBの1人あたり標準掛金額に予定利率に応じた一定率(※)を乗じる方法が提示されています。 ※予定利率1.0%で0.4、2.0%で0.6、3.0%で0.8等
2020年10月20日
NEC、社員のキャリア形成支援へ会社設立
NECは、社員の主体的なキャリア形成を支援するサービスを専門的に提供するNECライフキャリア株式会社を設立し、10月から営業を開始したと発表しました。
NEC社員に対してキャリア支援プログラムを提供するほか、高度シニア人材をNECグループ内外の職場に派遣・斡旋する取り組みを2021年度から開始するとしています。
2020年10月21日
DB掛金引き上げの緩和措置、新型コロナの影響
新型コロナの影響によってDBの財政状況や企業の経営状況の悪化が見込まれるため、掛金引き上げに関する以下の緩和措置が示されました。
①決算に基づく財政検証の結果により財政再計算を実施した結果、掛金引上げの規約変更が必要となった場合であっても、その掛金の適用を一年間猶予することができること
②当該財政検証において、継続基準に抵触した場合、現行では積立不足分を全て解消することとなっているが、解消すべき積立不足分を許容繰越不足金が上回る部分までとすることができること
対象は(本来であれば)2021年度中に掛金の引き上げが必要となるDBとなっています。
2020年10月22日
DC拠出限度額の見直し 政府税調でも議論
10月22日に開催される内閣府の税制調査会では老後に係る税制のあり方が議題となっており、厚労省の企業年金・個人年金部会で議論されているDC拠出限度額の見直し案が財務省説明資料に盛り込まれています。
2020年10月23日
DC脱退一時金 加入期間要件の見直し案
2021年4月1日より、確定拠出年金の脱退一時金要件の1つである加入期間について、「3年以下」から「5年以下」とする政令の見直し案がパブリックコメントで示されました。
今年5月に成立した年金制度改正法の施行に伴う見直しであり、短期滞在外国人に対する公的年金の脱退一時金の支給上限年数の引き上げ(3年→5年)と併せて実施されます。
このほか国民年金に関して、未婚のひとり親に対する税制上の措置への対応や、申請全額免除基準への追加等の見直しが盛り込まれています。
2020年10月29日
第一生命、一般勘定の予定利率を0.25%に引き下げ
第一生命は10月29日、確定給付企業年金の一般勘定について、来年10月に保証利率を現在の1.25%から0.25%に引き下げたうえで、新規の受託を再開すると発表しました。
手数料等は0.15%としていることから、実質的な保証利回りは0.1%となります。
2020年10月31日
厚労省、70歳就業に関するWeb更新
70歳までの就業機会確保に関する厚生労働省のWebページが更新され、パンフレットやQ&Aなどが新たに掲載されました。
Q&Aでは以下のような質問への回答や、雇用以外の就業確保に関する契約書のひな型が掲載されています。
○まずは67歳までの継続雇用制度を導入するなど、高年齢者就業確保措置を段階的に講ずることは可能でしょうか。
○対象者を限定する基準とはどのようなものなのですか。
○特殊関係事業主以外の他の事業主で継続雇用を行う場合は、他の事業主との間でどのような契約を結べばよいのですか。
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