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「余生」という概念を覆す! パラダイス制度でずっと働き続けられる仕組みを導入|テンポスバスターズ 前編

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「余生」という概念を覆す! パラダイス制度でずっと働き続けられる仕組みを導入|テンポスバスターズ 前編

人生 100 年時代を迎えると、リタイア後の生活資金をどのように確保するかが重要な課題になる。定年退職までの間にしっかり蓄えて、収入の大切な柱である年金の計画もしっかり立てておく、というのがその対策の多くの部分を占めているのではないだろうか。しかし、逆転の発想で、リタイア自体をなくすという取り組みをしている会社がある。テンポスバスターズだ。リタイアがないとはどういうことなのか、同社が取り入れている「パラダイス社員」とは? テンポスバスターズ人事総務部・人材事業部部長代理 杉本啓鑑 氏と退職金専門家 向井洋平に話を聞いた。 (2019 年 8 月 22 日取材時点の内容です)

—行き場のなくなった厨房機器をリサイクル販売

向井  御社についてまずお聞きしてもいいですか?
杉本  弊社は 1997 年に、店舗向け食器洗浄機を販売する会社として埼玉・川口で創業しました。取り扱っている食器洗浄機は、学校の食堂や社員食堂にあるようなベルトコンベア式の大きなものもあり、販売価格が 300 〜 400 万円ほどするものです。

かなり高いように感じるかもしれませんが、厨房機器というものは調理台でもシンクでも冷蔵庫でもどれも高価なものなんです。冷蔵庫も家庭用とは異なり、100 万円ほどする。それをやっとの思いで、店舗経営者さまが購入するわけですよ。ところが、半年ほどで廃業してしまう、というケースもいくらかありまして、そのときには廃棄するほかなかった、というのが当時の状況でした。

たまたま食器洗浄機を納品した先で、不要な冷蔵庫のやり場に困っていたため引き取ってほしいと依頼され、それを持ち帰り、磨いてみたところ、半年しか使っていなかったからか商品として充分売れるほどの価値を見いだせました。

それで、行き場のなくなったいくつもの冷蔵庫を仕入れて磨いて 20 〜 30 万円で販売してみたところ、新品であれば 100 万円ほどする冷蔵庫が半年落ちで安く買える、ということで飛ぶように売れて。

それで、川口からはじめてどんどんと店舗を増やすことができたんです。
テンポスバスターズ 杉本啓鑑 氏

向井  今は、冷蔵庫以外も取り扱っていらっしゃいますよね。
杉本  そうですね。冷蔵庫以外も仕入れてリサイクル販売していたのですが、大量に仕入れるようになるに連れ、メーカー側で新品を安価に卸してくれるようになりました。

ただ、弊社の場合、リサイクル商品で利益がかなり取れているぶん、新品の厨房機器からそれほど取る必要がない、と判断し、薄利で販売させてもらっています。例えば、30 万円で仕入れて、35 万や 40 万円で販売する、といった形ですね。

おかげさまで、スケールメリットを活かし、大量に安く仕入れて安く販売できるようになり、今では厨房機器以外でもテーブルや椅子、カウンターなど飲食店に必要なものは何でもそろうという会社に成長することができました。

—年齢に関係ない働き方

向井  杉本さんが入社されたときには、リサイクル厨房機器として名の知れた企業になっていたと思うのですが、なぜ新卒でここを選ばれたんですか。また、今のお立場は?
退職金専門家 向井洋平

杉本  新卒入社で、今は 10 年目です。熊本で採用され、店舗スタッフからはじまり、店長に立候補して福岡県や熊本県など複数の店舗で店長を経験しました。その後、エリアマネージャーになり、3 年ほどしてから、「人事でやってみないか」と声をかけられ、2 年前から東京で人事の仕事をしているという経緯があります。

入社したきっかけについてですが、実は、学生の時に飲食店でアルバイトをしていたんです。雇われではありましたが、店長まで経験できました。

お客さんを楽しませることはできても、経営には関われない。経営についても語れるようになりたいと感じ、飲食店経営者と繋がりのあるテンポスバスターズであれば、そのような感覚が養えるのでは? と思い、入社しました。
向井  新卒入社の人は多いんですか。
杉本  グループ全体で採用して、各社に振り分けられるのですが、50 〜 70 人ほど新卒採用し、そのうちの 10 〜 15 人がテンポスバスターズに配属される、というイメージです。

テンポスバスターズの社員 160 人に対して新卒で現場で働いているのは約 3 割、それ以外は中途採用なので、圧倒的に中途採用者が多いですね。
向井  多くの会社ではまだまだ経験年数が重視されていて、マネージャー職などはある程度年齢がいかないと就けませんよね。でも、そもそも中途採用が多い会社だからこそ、年齢に関係なくマネージャー職や今のような立場も経験できる。

とはいえ、中途採用で来られた人の以前の職場は年功序列だったということもある思うんですよね。定年退職者が嘱託社員などで再雇用されると、年上の部下ができてしまって戸惑う声も聞かれますが、杉本さん自身、年上の部下を持つことに戸惑いはありませんでしたか? また、年上の部下の方たちにも戸惑いは見られませんでしたか?
退職金専門家 向井洋平

杉本  わたし自身には戸惑いが、はじめはありました。でも、管理職や社長を経験されたような人たちが、自分の経験をもとに若い店長を支援してくれるほうが多いんです。

豊かな人生経験から、教えてくださり、支えてくださるおかげで、戸惑う気持ちがなくなってきました。
向井  なるほど。もしかしたら、ずっと同じ会社にいて、上にいた人がいきなり部下になる、というわけではないから、フレッシュな気持ちで自分の人生や社会人としての経験を活かせるのかもしれませんね。

—60 歳でも「最近の若いものは」と言われた経験

向井  年齢に関係のない働き方ができるし、人材採用も年齢で区切らない。人材確保が難しかったから、シニア層といわれる年齢でも採用しているのでしょうか。
杉本  弊社では、年齢や性別で区切ること自体がナンセンスだと考えています。そのため定年制もありません。
向井  もとから定年制を敷いていなかったのでしょうか。
杉本  実は、2005 年まではあったんです。その年に定年制が廃止されています。
向井  ではそれまでの間は定年制があったんですね。
杉本  そうですね。99 歳が定年の年齢でしたが。
向井  それはないも同然ですね(笑)。なぜそういう人事制度になっていたんでしょうか。
杉本  弊社の創業者であり、社長でもある森下 (篤史) は静岡の農家の出身。今でも週末に実家へ行き、家業を手伝っているんです。

60 歳になったある日、荷物を背負って山を登っていたんですが、疲れて木陰に腰を下ろし休憩していたところ、通りがかりの 90 歳ほどの人が、同じように荷物を背負って歩いていて「最近の若いものは……」と言いながら、元気よく通り過ぎていったそうです。

それを見て、「60 歳や 65 歳ではまだまだ元気。定年退職の年齢を人が決めるのはおかしい」と考えたことが根底にあるのかな、と思っています。
向井  定年制廃止の前から高齢者を分け隔てなく採用していた、というのはそういう背景があったんですね。

—年齢ではなくやる気でキャリアを形成できる制度

向井  多くの企業では、能力がどれだけあっても、すでにポストが埋まっているため上がれない、また上がっていく仕組みは用意されていても下りるルートがなく、雇用期間が延長されると高齢社員の処遇に困る、という課題が存在するのですが、御社の場合、年齢に関係なく実力や能力があれば、杉本さんのように入社後まもない人でも手を挙げれば、店長やエリアマネージャーになれる。実に流動的な人事制度を持っていらっしゃるんですね。
テンポスバスターズ 杉本啓鑑 氏

杉本  とはいえ、はりきって店長になったものの、挫折するということもあります。また、頑張る気持ちはあっても業績がついてこないこともある。慈善事業ではなく、利益を得るのが前提ですから、その後の処遇をどうするか考えねばなりません。

幸い、グループ企業内には厨房機器の販売だけでなく、不動産・内装を行っている子会社もあります。全く違う職場に行くことで、挫折ではなく新しいことへのチャレンジだ、と思って頑張ってもらえるシステムが弊社にはあるんです。
向井  事業の幅が広がったから、仕事内容の転換も可能になってきた、ということですね。中途採用の方へはどのようなキャリアを提示しているんですか。
杉本  弊社では「新入社員だから」「高齢者だから」ということで、キャリアを分けることはしていません。ただ、社員の働き方のスタンスに合わせて、もっと激流にもまれながらやっていきたいという人への「激流コース」、ちょっとそこまではできない、という人へは「幸せコース」というものをそれぞれ設けています。
向井  各自の状況に応じて働き方を選べる、ということですね。みんながみんな幸せコースを選ぶなど、偏りが見られるということはないんでしょうか。
杉本  意外とちょうど 2・6・2 という配分にきれいに分かれました。
向井  自分のスタンスに応じて働ける、しかも年齢関係なく、となると応募する人がこれからもっと増えそうですね。

後編では「パラダイス制度」について語ります。
「余生」という概念を覆す! パラダイス制度でずっと働き続けられる仕組みを導入|テンポスバスターズ 後編 に続く >

※取材日時 2019 年 8 月
※記載内容は、取材時点の情報に基づくものです。

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