サラリーマンの個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入可否
掲載日:2016年12月5日
2016年9月16日の確定拠出年金普及・推進協議会において、個人型確定拠出年金(個人型DC)の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決定しました。
今回は、iDeCoについての簡単な整理と、2017年1月1日以降のサラリーマンのiDeCo加入可否について解説します。
個人型DCの愛称「iDeCo(イデコ)」
2016年9月16日の確定拠出年金普及・推進協議会において、個人型DCの愛称が「iDeCo」に決定しました。
2001年の確定拠出年金法施行以来、企業型DCは着実に加入者数を増やしてきた一方で、個人型DCの加入者数は低迷が続いてきました。個人型DCのてこ入れをすべく、法の整備だけではなく、より多くの現役世代への認知・普及を目的として、一般公募、審査により愛称が決定されました。
今後、仮にiDeCoという愛称が標準の呼び方として定着した場合、「DC」という呼び方が逆に少数派となる日も来るのかもしれません。
【 DC加入者数の推移 】
(出所:厚生労働省ホームページ)
現在はDCといえば企業型DCが主流ですが、当たり前ですが企業型DCは「iDeCo」ではありません。
一方で、後で見るように、企業型DCとiDeCoは全く独立した制度ではなく、同じ法のもと、仕組みが同じで加入条件や拠出限度額が相互依存しております。それにも関わらず、個人型のみ「iDeCo」と呼ばれるのは少々混乱の元になるかもしれません。
【 企業型DCとiDeCoとの関係イメージ 】
サラリーマンはiDeCoに加入できるか?
iDeCoの加入対象は2017年1月1日以降、主に専業主婦(第3号被保険者)や公務員を中心に拡大し、基本的に全ての現役世代がiDeCoに加入できるようになります。それでは、サラリーマンもiDeCoに任意で加入できるようになるかというと、そうではありません。
2017年1月1日以降サラリーマンに大きく影響するのは、今まで「企業型DC、iDeCoいずれにも加入できなかった人」です。具体的には、勤務先にDC制度がなくても確定給付型の年金制度(DB)に加入している人となります。2017年1月1日以降、サラリーマンで「企業型DC、iDeCoいずれにも加入できない人」はいなくなり、いずれかには加入できるようになります。
また、DCへの加入は企業型DCかiDeCoのどちらか一方のみというのが原則ですが、勤務先の方針次第で、両方に加入することは可能となります。勤務先がマッチング拠出制度のないDCを実施しており、かつiDeCoへの加入を認めるという規約変更を行なった場合に限り、両方に加入できるようになります。逆に、勤務先でマッチング拠出を導入している場合は、iDeCoには加入できず、企業型DCに掛金を拠出する事になります。
今までも、実はiDeCoに加入できるサラリーマンは多く存在しましたが、未加入の人が大多数でした。iDeCoという愛称の決定等、法改正以外の普及活動が活発化する事で、そのような層にも訴求し、サラリーマンのiDeCoの加入者数が増加する事が期待されます。
【 サラリーマンのiDeCo加入可否 】
(※)勤務先の確定給付型年金制度(DB)の実施有無およびiDeCoへの加入有無により、拠出限度額が異なる